2013年5月31日金曜日

Art Basel 香港

先週末、香港で開催されていたArt Baselに遊びに行ってきました。Art HKからArt Baselに名前が変わって初めての開催で、かなり巨大なアートフェアでした。香港は美術品に対する関税がなく、また中国大陸への玄関口でもあるため、アートのマーケットのハブとしてここ数年かなり盛り上がっている地域です。このアートフェアでも世界各地のトップギャラリーが200~300ほど集まっていて、カタログだけでも電話帳のように分厚くなっています。全部ざっと見るだけでも2日くらいかかりました。

全体的な印象だと、インドネシアのギャラリーがかなり謎なパワーがあって面白かったですね。素材や技法でいうと、鏡を使った作品や顔料の厚塗り、レイヤーの重ね合わせを使った作品が多いような気がしました。日本のアーティストだと、具体や草間彌生は現在ニューヨークで話題になってることもあり、大きく展示されていました。日本のギャラリーも今回結構多く出していましたね。三潴画廊からはファイナルファンタジーの絵で有名な天野喜孝が大きな絵を出していて、かなり迫力がありました。

作品でどれが一番印象に残ってるかというと、実はアートフェアの作品ではなく、そこから少し離れたwhite cubeというギャラリーで開催されていたChapman兄弟の展示の作品が一番印象に残っています。地獄をテーマにナチスとマクドナルドが戦争していて、恐竜が交尾してたり宇宙船が登場するジオラマ作品、と言葉で書くとかなりぶっ飛んでいますが、実際の作品はその想像を超えて狂っていると思います。日本ではまだこの人たちの展示は行われていないようですが、日本の現代美術をちょっと知ってる人が見ると、会田誠の作品との類似性に驚かざるをえないでしょう。戦争というモチーフであったり、奇形化した人間やその圧倒的な量と作りこみ、そして狂気が度を越して笑いに到達する点などはとてもよく似ています。とくに死体が山のように積み重なるスカルプチャーは、「灰色の山」そっくりです。会田誠本人もちょうど香港に来ていて、この展示のことをツイッターで言及していましたが、パクリとかいうことでもないようですね。東西の変態芸術家のシンクロニシティーを感じさせる展示でした。

北京でも春になってから色々なギャラリーを回るようにしていますが、中国のアートはまだまだ分からないことだらけです。アイウェイウェイのように国家対アーティストみたいな分かりやすい構図があればまだ理解しやすいのですが、中国のアーティストのみんながみんな政治意識をもって作品を作ってるわけでもなく、作品の背景や意図が全く理解できないこともしばしば。あとこっちの人はわりと率直に「お前の作品つまんない」みないなことを言ってくるので、心が折れることもしばしば。まあ、あとでネットとかで悪口書かれるよりかはましかもしれませんが。。。だんだん心身ともにタフになってきてるとは思います。